ILO宛情報提供 2024年9月1日

2024年9月1日に、あぱけん神戸は、連帯労働者組合・杉並、ユニオンらくだ、連帯労働者組合・板橋区パート とともに4組合でILO宛情報提供を行いました。

本文(日本語分)

参考 2017年以後の申立の経緯

   

11月2日に上記のとおり、「なくそう!官製ワーキングプア大阪集会」が開かれました。
そこで、あぱけん神戸の組合員八木が、下記のとおり発言しました。
4組合のひとつユニオンらくだの組合員の原稿の代読と、補充です。

わたしたちは、4労組、あぱけん神戸、ユニオンらくだ、連帯労働者組合・杉並、連帯労働者組合杉並区パートの4組合です。 あぱけん神戸、ユニオンらくだは官製ワーキングプア大阪集会実行委員会の構成団体になっています。

本当は、会計年度任用職員であるユニオンらくだの卜部さんが発表することになっていたのですが、事情によりできなくなったため、彼の発表についてまず私、あぱけん神戸の八木が代読します。


 

次に、われわれが行った9月のILO宛「情報提供」について、八木から発言します。

2017年の5月に地方公務員法改正案が可決され、「会計年度任用制度」ができました。施行は2020年4月からです。それに対して、われわれ4組合は直ちに「今回の法改正はILO87、98号条約に違反し、逆行するもの」なので、中止勧告をしてほしい旨を、ILOに訴えました。

その後、連帯杉並の安田さんがジュネーブに行かれたり、様々な経緯があり、現在に至っています。

我々4組合は9月1日付けでILO宛に「情報提供」を行いました。

 内容はまず、〈第1、ILO87号条約:労働基本権について〉、です。

2024年6月ILO総会基準適用委員会において、消防職員及び刑事施設職員の問題に加えて、「地方公務員労働者が条約に定める権利と保障を享受できるよう、地方公務員法その他の関連法を見直すこと」という勧告がなされました。

 そもそも何十年もまえからわれわれは、公務員から労働基本権が奪われていることの不当性をILOに訴え、ILOはその主張に同意し政府に対して何度も是正勧告を行ってきました。

ところで公務員といっても、かって非正規公務員の大多数をしめた「特別職非常勤職員」は、地公法上の位置づけが明確ではなく、脱法的ともいえる立場でした。しかしそのために、「公務員としての労働基本権はく奪」を免れていたのです。そしてそれを利用し、組合結成・団体交渉などをつみ重ね、労働条件の改善を勝ち取ってきた労働者も全国に居ました。ユニオンらくだがその実例であるとさきほど、卜部さんの原稿で、言いました。ところが、2017年地公法改悪により、この22 万人もの「特別職非常勤職員」から「労働基本権はく奪」が行われてしまったわけです。会計年度任用職員には「手厚い身分保障」、「人事委員会の賃金勧告」、「労働条件の条例による保障」がありません。 つまり、労働基本権はく奪の理由がないのに、はく奪だけが行われたわけです。

 わたしたちは「有期労働契約の濫用」の防止が国際労働基準であると考えます。現在の会計年度任用職員は明らかにこれに反しているので、見直されるべきです。

 地公法改悪による労働基本権はく奪の別の例をあげます。労働組合として闘い続けてきたなかで突然その権利を奪われるという体験に対して、どうしても許せないとして怒りの声を上げたのが「東ゼン労組」のALTの方たちです。ALTつまり、Assistant Language Teacher=外国語指導助手である2人の外国人教師を原告として総務省を巻き込み現在裁判継続中です。これについては、10月6日に行われた、なくそう官製ワーキンプア東京集会のyoutube(の1h08mくらいのところ)を見てください。

https://www.youtube.com/watch?v=PNm0S5M9WUs?t=6470

つぎに、〈第2 ILO122号雇用政策条約について〉です。

2024年2月に「専門家委員会報告:雇用政策」において見解は示されました

①「新制度の実施5年後(2025年)に」、「公共部門の潜在的不十分さを特定し」、「雇用政策を改善することを目的とした評価(アセスメント)を実施する意向があるかどうかを示すように」

とあります。

今年5月13日参議院(第213回)行政監視委員会 で質問してくれた、イハ洋一(沖縄選出の議員)は、次のように分かりやすく言い換えています。「つまり、二〇二〇年に開始された会計年度任用制度について、実施五年後の二〇二四年末時点でどのように改善するか、あるいは改善したかどうかという報告がILO専門委員会から求められているわけです。」

つまり、これはまさに我々の希望、そのとおりの勧告と言えます。

・2024年3月、東京都で、スクールカウンセラー 250 名が「公募不合格」で雇止めに逢いました。「5年公募制」により再度任用がされなかったためです。

「雇用機会公平性の確保のため」「市民の方々に広く挑戦する機会を持ってもらうため」といった説明をするようですが、これはオカシイ。今働いている人を辞めさせて新しい人を入れる。このような雇用政策は社会的に許されるものではないはずです。

・2024年6月 28 日、画期的なことが起こりました。人事院は「3年公募制廃止」の通知を発出し、総務省はQ&Aから「国では3年公募制」との記述を削除しました。労組と非正規当事者団体、国会と自治体議会、研究者や報道関係者など、またILO勧告なども含めた、長年にわたる取組の大きな成果だと考えることができます。

 今年、 ILOから、我々の予想を超えた、力強い勧告を我々は得ることができました。またvoices、はむねっとなどの広報活動によってマスコミを通じて市民からの関心も高まっています。このような波にのってわたしたちは運動を前に進めていきたいと思います。

  日本政府が非正規公務員に対して、① 労働基本権を直ちに回復すること、② 恒常的業務には無期雇用を確保すること、③当事者および当事者労組と協議を尽くすこと、を、私たちは求めます。

 また、日本政府は、ILO からの勧告や意見を国と自治体の公務員および議員に伝え、広く社会に知らせるべきだ、ということも併せて訴えます。

(卜部さんの部分と野原の部分で内容的に重複があったのをお許しください。)

4組合からの2024専門家委員会への情報提供は下記にあります。

ILO宛情報提供 2024年9月1日

経緯:https://rentai-suginami.wixsite.com/0001 


実際は時間がなく、後半部分はあまり読めませんでした。
というより、決められた時間を2分ほど超過してしまい、タイムキーパーY氏や皆さんに迷惑を掛けてしまいました。