ILO申し立てから三年、「専門家委員会報告書」を勝ち取る

別記の通りです!

2017年5月の申立から足掛け3年、私たちの取り組みがようやく結実しました。昨年、ILOの専門家委員会に「意見書」を提出していました。今年2020年2月13日付で「2020年専門家委員会報告書」が公表されました。その中で、初めて日本の非正規公務員の労働基本権問題を、申立4組合の名称を入れて取り上げられました。  

全国の自治体に勤務して来た多くの「非常勤嘱託職員」たち(約60万人ほど)のほとんどは、正規職公務員と違い、労働組合法・労働委員会制度適用になっていました。それを活用しこれまで活動してきた労働組合 は いくつもあります。あぱけん神戸もそうです。かって加古川市文化センター図書館で20年以上もの長期年、臨時職員として勤務していた女性司書8人のほか、多数のパート職員が、一斉に雇い止め解雇された時、加古川市教育委員会から職員団体ではないからとの理由で団交拒否された苦い経験をしました。(参考:加古川市による臨時職員解雇事件

しかし、今年4月から地方公務員法が改「正」されました。今まで法的位置づけがいいかげんだった非正規公務員の制度が、「会計年度任用職員制度」に移行させられました。それに基づき、労働組合法適用から、労働基本権が侵害される「職員」の身分に変えられてしましました。

このことについての、私たちの異議申立に対して、このたびILO専門家委員会報告書で取り上げられました。画期的な内容ですので、以下、その一部を紹介し、賛同協力いただいた多くの皆さんとともに、この成果を今後に生かしていきたいと思います。

神戸製鋼加古川製鉄所前で、 元請山九の労災事故責任を追及!

違法派遣団交拒否

全国結集行動!20人で取り組みました。1月20日は朝6時前に学生センターを出発して、重たいハンドマイクを2台+横断幕+配布チラシなどを車に積み込み、めざすは 神戸製鋼加古川製鉄所の正門前。到着は7時。約1時間の情宣をやりきりました。委託のガードマンが敷地内から出ろ!と妨害しましたが、軽く抗議してかわすと共に、福岡および東京から駆け付けた争議仲間らが、熱く連帯アピールを発して呉れました

何重もの元請け➡下請け構造(偽装請負)で、大企業の神鋼と元請山九だけが利益を守り、労災事故死するのはいつも下請・孫請零細の労働者ばかりです。

行動2日前の18日にも、この神鋼構内で深夜労働中に福岡の請負会社から派遣されていた50歳代の下請労働者に落下した鉄板が当って死亡する痛ましい労災事故が発生しました。
二年くらい前にこの神鋼構内での深夜労働中に、肩をアングル状の鉄骨で強打したT組合員が居ます。この組合員の労災給付および雇用保障を要求して雇用主ニシテック(零細 第四次下請け)と元請け 山九(さんきゅう)に対して団交を要求しましたが、元請け山九が拒否したので、県労委に救済申し立てています。

神鋼が借り上げ調達した従業員用の送迎バスが、何十台も構内に通り抜けていく。その他に数百台の出勤する車やバイクもスルーして行く。自転車と徒歩の労働者は幾人かがチラシを受け取り構内に消えて行く。その数は数千人は間違いない。
そして丁度8時には、その車列と人波がピタッと途切れた。

ハンドマイクといくつもの横断幕と旗を用意して無ければ、抗議の声も届かないし、目に入らないほど情宣には難しい現場でした。神鋼構内で働く数千人の大半は社外の下請委託や協力会社からの労働者で、おそらく労組未加入だろう。それ以外の神鋼社員は御用組合に組織された〈物言わぬ〉ヒトたちと思われる。

この闘いの当該組合員であるTさんは、中国残留日本人孤児を母親に持つ中国生まれの50歳男性。二十歳過ぎてから母親らと共に日本に移住して、既に25年になると話す。苦労ばかりだったし、職は転々と変わって、現在に至っているとも。当時、日本語は話せない、書けないことで差別を受けたし、仕事探しがたいへんだった。

現在、Tさんは労災休業給付が1年半で打ち切られ、無収入で生活に困っており、別の仕事を探している。県労委での山九に対する団交拒否不当労働行為救済申立は、結審していて、3月中には命令が出される予定です。
引き続き注目とご支援をお願い致します。

  

ダイシン物流、4年越し<濫訴>の末、不当労働行為、今年7月最高裁で確定!!


暗闇企業ダイシン物流、廣田稔弁護士指導の下に4年越し<濫訴>の末、不当労働行為(山中社長の支配介入)、今年7月最高裁で確定!

組合員のIさんはダイシン物流(本社大阪)で直属上司によるパワハラを放置され、社外のあぱけん労組へ加入しました。加入後は不誠実団交の繰り返しのうえ、加入への報復に、57歳到達を理由として、賃金が40%も賃金減額され、慣れない力仕事の現場に不当配転され、偽装請負の下での違法就労中の2014年8月に労災事故を発生しました。

県労委 不当労働行為認定!

一方で、組合の訴えた不当労働行為救済申立(ダイシン物流事件)で、兵庫県労委による「命令書」は3年半前の2016年1月に出されました。①不誠実な団交姿勢、②山中社長による支配介入、③就業規則の組合への不提示を 不当労働行為に該当すると認定しました。

中労委での審査中 解雇!

しかし、県労委の命令にダイシン物流が従わず、中労委に「再審査申立」を行なったため、中労委での調査・審理に移りましたが、ダイシン側が主治医の作成した完治・復帰可能との「診断書」をも反故にして、I組合員の職場復帰を拒んだ上に、僅かな金銭解決にこだわった爲に和解交渉が不調に終わりました。この和解中にダイシン側はI組合員に「退職手続きの連絡」なる文書を発して、解雇しました。中労委の審理の途中から、ダイシン物流が初審を担当した若手のまじめな弁護士2人を解任して、代理人に廣田稔弁護士を立てて来ました。廣田弁護士は自ら、かって全司法労組で活動経験があると話していましたが、過去に大阪弁護士会から懲戒請求された処分歴を持つ問題ある人物です。

中労委も初審と同様、判断の中で「以上のとおり、2014年12月3日の山中社長の発言は、I組合員に対する組合からの脱退勧奨と言わざるを得ず、労組法第7条第3号の不当労働行為に当たる」 と認定し、初審の兵庫県労委の命令を維持しました。

「中労委命令取消請求裁判」提訴されるも、棄却される!

にも拘らず、ダイシン物流は廣田稔弁護士の言いなりに東京地裁に「中労委命令取消請求裁判」を提訴しました。
東京地裁民事11部の佐久間 健吉裁判長は中労委命令をより明確にして「したがって、第3回団交における上記対応は労働条件の変更に係る説明を誠実にしたと評価することができず、そのことにつき「正当な理由」も認められないから、このような不誠実な交渉態度は、誠実交渉義務に反して、団体交渉することを正当な理由なく拒んだ不当労働行為(不誠実交渉・労組法7条2号)に該当する。」と、ダイシン物流の請求を棄却しました。 (東京地裁判決文 37頁目)

ダイシン物流はさらに高裁へ、棄却される!

更に控訴審では東京高裁第1民事部の深見敏正裁判長は、原東京地裁判決に加えて、「本件発言は、山中社長という控訴人の代表者で、その人事につき権限を有する人物が、参加人(あぱけん労組)から団交の申入れがされてから約1週間という時間的に近接した時期に、わざわざI組合員と話す目的の下に同人の就業先を尋ねてきた際に、二人きりになったところで、参加人組合からの申入れで団交に対応しなければならなくなったことに対する不満及び批判等 組合嫌悪の言動に及んだ上で、社内組合への加入を勧誘し、団交の交渉事項である本件就労場所変更についての評価を述べ、脱退後の見返りをほのめかしながら、脱退勧奨に及んだことからすれば、本件発言は使用者である山中社長が、参加人の組合運営に対する干渉等をするためにした、労働組合の自主性、独立性等を損なうおそれのある使用者の行為であると認められ、同人(山中社長)の単なる意見表明とは解せないから、不当労働行為に当たると認められ、控訴人の前記主張は採用できない。」と判決しました。
[ ※ 添付/控訴審判決文 
7頁から8頁目
 特に「控訴審判決」文の(別紙)
10頁から14頁
は、リアルで必読です! 

ダイシン物流はさらに最高裁へ、棄却される!

その後、ダイシン物流はただただ引き延ばすだけの目的をもって、今年3月、最高裁に上告手続きしました。最高裁もわずか3か月で上告棄却しました。(添付/最高裁判決「決定調書」)

5年間の濫訴は労働組合活動への嫌がらせだ!

丸5年にわたり文字通りの「濫訴」に付きあわせ、あぱけん労組の社会的使命を不当に妨げ続けた廣田弁護士およびダイシン物流山中社長に対しては、その不法行為のやり得を許さず、必ず謝罪を求め不当労働行為の法的責任追及を行ないます。 今後ともダイシン物流との闘いに注目と支援を訴えます。

(ダイシン物流から解雇されたI組合員は現在、已む無く地位確認・損害賠償を求める裁判を提訴して、大阪地裁で係争中です。)

神戸市水道サービス公社に於ける嘱託職員に対する雇止め問題/報告

既に神戸新聞で紹介されました神戸市外郭団体である神戸市水道サービス公社に於ける非正規職の嘱託職員に対する雇止め問題です。

昨年6月下旬、公社当局から契約更新拒否の事前通告が該当する嘱託職員に対して行なわれました。そのうちの4人が当労組「あぱけん神戸」に加入してその選別解雇を止めるように求めて、これまで公社との団体交渉を4回重ねて来ましたが、昨年9月末で雇用継続されていました13人ほどの嘱託職員のうち、「業績の悪い」?4人を選別して、解雇しました。

更に、昨年末12月5日の第4回団交に於いて、責任者と名乗る前田薫常務
理事(本庁神戸市水道局から出向)が、「競争入札で落札出来なかったことにより、大幅に業務量が減ったので、来春4月(2019年3月末)から、業務量に見合った人員に見直す事は否定しない。ついては現在の8人を4人減員する見通しである。」との回答を行なっています。そして、契約更新手続きを今年2月下旬までには、嘱託職員と個別に面談を行なった上で、本人には予告する予定である事も発言していました。

私たちは水道業務を委託発注し競争入札を行なっている神戸市水道局の事実上の事業主責任」を追及すると共に、神戸市出向職員約8人)の業務責任および雇用責任を問題にして来ました。

併行して市会議員である粟原富夫さんに力を借りて、神戸市水道局と神戸市長らによる競争入札制導入の結果として労働ダンピングが発生しており、外郭団体の非正規・有期契約職員の雇用が奪われている現実を知らせて、これを契機に競争入札制度の見直しや直営化や、或いは「公契約条例」の制定などをもって、雇い止め解雇を回避させるための申入れを行ないました。

今年1月29日に今回の神戸市水道公社での嘱託職員の雇止め解雇問題で、粟原議員の紹介で神戸市水道局に対して、口頭および文書で申入れました(※別添『質問・回答申入書』)。ところで、神戸市水道局は当初から契約更新問題での団交申入れを拒否していますが、上記の事業発注主としての回答要求にたいしても「水道局は労基法および労組法上の<使用者>に該当しませんので、雇用上の問題についてはお答え致し兼ねる」との不誠実な文書回答でした。

3月1日には神戸市水道サービス公社と第5回目の団交を持ちました。この席で公社側は2月26日に、勤務する嘱託職員に対して個別に面談して、雇用契約の更新予定者には意志更新の有無確認を行なったと発言しました。

契約を更新する者は5人で、そのうちあぱけん加入の3人には更新予定であると通告したとのことでした。そのほか、対象嘱託職員1人には雇止めを通告したとも発言していました。 残る2名の嘱託職員のうち、1人は2月末で退職し、他1人は3月末での退職を表明したとも説明しました。それは、働く意欲を失くした職員に辞めるように仕向けて行った水道公社の不当な対応の結果に他なりません。

これに対して組合からは2月26日に、前田信仁技術力強化担当課長が口頭で当該職員らにした説明(下記内容)については問題があるから、撤回もしくは検討し直して組合に対して回答するよう要求しました。

26日、前田課長は組合員に対して、「これまでの雇用契約内容に含まれていることで問題ないが、人員が減ってきた(? 雇止めした結果だ!)ので、
今後は土日、祝日および夜間の緊急時には出勤し対応してもらうことも含まれる。ついては、例えば 当番制またはシフト制で勤務に入ってもらうことになる。」との説明を行なったことが明らかになりました。

組合は、雇用契約書には、その所定時間外の業務の説明も明示もされておらない上、労働時間の一方的変更の追加提案は不利益変更であり、問題あるので撤回するよう要求しました。

交渉責任者である水道公社の前田薫常務理事は、「専門家や弁護士などに相談の上、組合にも回答する。」事を約束しました。

その後、3月15日付で水道公社は、Fax+文書回答(添付)してきました。
(1)36協定を締結する手続きとして、労働者代表の選任等の手続きを現在進めている。
(2)また、3月22日の団体交渉日前に、職員との雇用契約締結交渉を行う予定である。
と、上記の連絡をしてきました。

3月22日の団交では、このような手続き的な瑕疵を含めた問題点が交渉議題になりました。公社は、「①漏水事故などが発生した場合、時間外労働は貴組合員以外の職員で対応する。②就業規則については、今週、従業員の代表の意見聴取を行ない、神戸西労基署に提出した。」と回答しました。

この回答で、■就業規則については、過半数の労働者の代表の意見聴取を行なっていなかった事実を認め、■今回、嘱託職員の雇用契約更新に際して休日・時間外労働の提示と押し付けについては、組合員には時間外労働をさせない事を認める結果となりました。

これは、①当該組合員を中心とする6回にわたる団体交渉での問題追及や、②4回に亘る本庁神戸市役所および須磨区鷹取地区に事務所を構える「水道サービス公社」に対して行なった抗議情宣、③粟原富夫市会議員を介して取り組んだ発注元神戸市水道局に対する申入れなどを取り組んだことの成果であったと考えています。

現在、Kさんを含む嘱託職員3人が、4月以降6ヵ月間の契約更新となりました。これまでの闘いに参加・支援とカンパを寄せて下さった皆さんにお礼を申し上げて、以上、取り敢えずの報告とします。

2019年4月20日

あぱけん神戸(アルバイト・派遣・パート非正規等労働組合)

  ※参考資料/『質問・回答申入書』 2019年1月29日付

神戸市水道局長  広瀬 朋義様
神戸市水道サービス公社嘱託職員  K、 A、 O
アルバイト・派遣・パート非正規等労働組合

前略  私たちは神戸市水道サービス公社(「水道サービス公社」と記す)に雇用される嘱託職員および、私たちが加入するアルバイト・派遣・パート非正規等労働組合(「あぱけん神戸」と記す)です。

私たち神戸市水道サービス公社に有期雇用契約で雇用される嘱託職員は、委嘱期間が1年間で、60歳に達した年度まで更新出来ると就業規則に定められています。担当業務は貴水道局が管理され、業務委託発注されています水道メーターの取替が主な仕事です。

ところが、昨年(2018年)6月27日、水道サービス公社の責任者から水道メーター取替に従事している嘱託職員に対して、「全員の雇用の継続は難しい。この先、契約更新出来なくなる職員を雇い止め(契約終了通告)する個別面談(人選)を進めていく。」との通告を行いました。その後8月下旬に、就業規則に規定する契約期間の途中の6ヶ月を以て、4人に対して契約終了通告が行われ、雇い止めされました(うち1人は退職に応じたとの公社報告)

その理由として水道サービス公社は、この間継続する業績悪化と基幹事業における民間企業(神戸市管工事業協同組合およびポートスタッフ【株】)との競争の激化、その結果6月に行われた垂水および西部センター管内のメーター取替業務にかかる貴水道局発注の業務委託契約の競争入札おいて、落札し損ねたこと等を挙げています。

その後、水道サービス公社の前田薫常務理事は、昨年末12月5日の当組合との交渉の席で、私たち当該嘱託職員およびあぱけん神戸」からの「次回の雇用契約更新時も更に雇い止め通告を行うのか?」の質問に対して、「次年度の業務量が減る事は確実。業務量に見合った陣容で対応せざるを得ない。競争入札制度が見直される話は無いし、メーター交換業務は価格のみで決まる。みなさんに雇用不安があることは理解しているが、申し訳ない。」と答えました。

言うまでもありませんが、この間、公社が主要三事業と位置づける「期間満了メーター取替・検針・料金未納整理」事業のいずれにおいても、民間との競争制導入がはかられることとなった結果、業務量が縮小し収益が悪化して今日に至っています。

このように水道公社に勤務する従業員、とりわけメータ取替業務に従事している私たち嘱託職員は現在、次は誰が雇い止めされるのか?自分は大丈夫か?と、非常に不安定な雇用環境の下に勤務しています。因みに私たちの組合員の大半は神戸市民でもあります。

元来、水道サービス公社は100パーセント出資の神戸市外郭団体として発足し、現在約8人の出向職員を送り込んでいながら、経営危機の状態に至っています。そして2013年度以降、”労働ダンピング”を招く競争入札制度の導入によって、結果として水道サービス公社が基幹事業としてきたメーター取替業務の存続についても大きな不安が生じています。

以下、質問いたしますので、説明および面談の上、回答機会を設けると共に、文章にて回答いただきますよう要望します。また、この申し入れについて2月7日(木)までに、何らかの方法で連絡・回答いただきますよう併せて要望します。

[質問項目]
①神戸市水道サービス公社は、これから先も神戸市の外郭団体として、市民の生活水を守る事業を維持・存続されるのですか?
②現在、発生しています水道メータ交換業務に携わっている水道サービス公社の嘱託職員の契約更新問題に対して、事業発注者として雇用不安を解消する手立てを検討していますか?
③雇用不安を招いている水道事業の業務委託に従事する労働者の雇用環境の整備および適正な労働条件の確保について、公共サービス基本法第11条規定する改善施策を提示・説明してください。

[連絡・回答先]
アルバイト・派遣・パート非正規等労働組合(あぱけん神戸)
神戸市水道サービス公社組合員一同 /home/lin/UP/naito/
神戸市中央区楠町2-2-13 楠ヴィレッジ1F
電話 078-360-0450  Fax 078-595-9100

神戸市外郭団体・水道サービス公社は、非正規職員を解雇するな! (その2)

去る8月8日、私たちは2回目の団体交渉を持ちました。その場で公社側は今後見込まれる業務量に見合う適正な職員数として10日月から3月までは8名、4月から9月までは4~5名程度で、これに対応するため、今年9月一杯で4名について雇い止めする方針を示しました。またこれまで1年としてきた雇用期間についても半年に短縮する改悪案も出してきました。

なお基本給削減について私たちとの団体交渉では削減の方向で検討しているとのことでしたが、その後行われた社内組合(全水道水道サービス公社労働組合)との交渉で白紙撤回し、従来通りの給与・手当とするということになったとのことです。

私たちは雇止め=解雇を断じて認めるわけにはいきません。神戸市の都合、公社の経営の失敗や経営努力不足のつけを、どうして非正規の私たちだけが背負わされなければならないのでしょうか。どうして4名もの労働者が何の保障もなく路頭に放り出されるような目にあわなければならないのでしょうか。多くの労働者には家族もありそれぞれ生活がかかっているのです。

そもそも現行の就業規則は非正規の私たち嘱託職員の委嘱期間につき「1年とする」(第3条1項)と定めています。公社側は同条2項が例外的に「理事長が特に認める場合」にそれを改めることができると定めていることを理由に、期間短縮は問題ないとの説明をしています。がこのような例外規定がメーター取替業務に携わり携わる職員に一律に適用されてしまうのであれば、これはもう就業規則を定める意味がないということであり、恣意的な濫用は認められません。

この変更が強行されれば、半年後にはさらに3名から4名の労働者が雇い止めにされてしまう不安を抱えながら仕事をしなければならなくなります。それぞれ仕事に誇りを持ち、技術の向上を心がけながら私たちは日々の業務に携わっていますが、このように、半年たてば使い捨てにされてしまうような職場環境では、全体としてどうやって仕事の質を保っていくことができるというのでしょうか。私たちは水道メーター取替の道具ではありません。いや道具だって半年以上は大切に使っています。

今回経営側が基本給・手当の削減を白紙撤回せざるをえなかったことは、当然のこととはいえ私たちの取り組みの成果であると考えています。引き続き4人を対象にした選別・通告によるクビ切りの撤回、雇用期間の確保、さらに正規・非正規の不合理な差別解消を要求し続けていきます。

私たちはこの間、そもそも水道公社は100パーセント出資の神戸市の外郭団体であり、複数の出向職員を送り込んでいながら経営努力を怠り、漫然と経営危機を放置して今回の事態を招いた責任を神戸市は免れることはできないと訴えてきました。それで私たちは神戸市に対しても団体交渉を申し入れていますが、神戸市(水道局)は拒否しています。しかし神戸市は、公社に関する経営責任・雇用者責任に加え、そのデメリットを緩和する施策を講じることなく安易に競争性を導入した結果、労働ダンピング・職場環境の悪化と公務サービスの質低下を招き、それを放置している市の責任も問われなければなりません。誠実に交渉に応じるよう私たちは求め続けていきます。

上記神戸市に対する団体交渉申し入れに対し、8/16付けで神戸市は 拒否回答(pdfのとおり)