2012.05.20
組合の勝訴確定。国が40万賠償金支払う!
神戸刑務所による偽装請負交代要求事件の国家賠償責任請求訴訟 2007年8月17日に管理栄養士のNさんが、神戸刑務所から交代要求されて以降、2回の団体交渉ののち交渉拒否に遭い、兵庫県労働委員会に不当労働行為救済申立を行なってきました。しかし、県労委による棄却命令を受けて、2009年7月27日、Nさんと組合は国=法務省を被告として神戸地裁へ、偽装請負交代要求事件にかかる損害賠償請求裁判を起こし、2年半を争ってきました。 その神戸地裁判決が、2012年1月18日に言い渡されました。組合員Nさんの訴えは全部棄却されました。他方、組合の訴えについては、国の違法性を認定して損害賠償するよう命じました。 担当弁護団からは「金額的には僅か30万円と遅延利息などで、金額的には小利?かもしれないが、法務省に賠償責任を認めさせたこと、国の団交拒否が不当労働行為であることを、初めて裁判所に認めさせたことの意義は大きい」との感想が寄せられています。 交代要求された原告Nさんの訴えに、「賠償すべき損害は無い」と棄却! 神戸地裁判決の<主文>は、下記の内容 しかし、矢尾和子裁判長はNさんの訴えについては、全て棄却しました。神戸刑務所の使用者性を認めた上で、原告組合への団交権侵害は、賠償すべき違法性があると認定したにもかかわらず、労働基本権の第一次的な権利享受主体である原告Nさんの権利は、何ら侵害されていないとして損害賠償を認めないなど、不当判決と言わざるをえません。 当然、Nさんは大阪高裁に控訴しました。 神戸刑務所事件国賠控訴審 5月22日(火)10時30分 大阪高裁74号法廷 担当 / 大阪高裁 第11民事部 ホ係 (74号法廷 7階) 事件 / [平成24年 (ネ)第628号 損害賠償請求控訴事件 その控訴審の初弁論が5月22日(火)の午前10時30分から、大阪高裁74号法廷(7階)で開かれます。当日、原告のNさんが冒頭に「意見陳述」を行ないます。ぜひ傍聴され、激励してください。 神戸地裁矢尾判決は、団交拒否には過失もあったとして、加入組合が被った無形の損害に対する賠償を命じました,国の機関が偽装請負(違法派遣)を行なっていた事件で、当該機関(神戸刑務所)が派遣先として団交応諾義務を負うことを認め、その団交拒否が不当労働行為にあたると判断した点で、画期的な判決でした。 しかし、矢尾判決は、国の不当労働行為に賠償責任を認めたことは評価できますが、偽 装請負も、自らが雇用しない労働者の交代要求も、違法ではないという判決は、認められません。Nさんが、用度課の刑務官によるパワハラを受けたとの主張については、客観的な証拠がないとして退けられたうえ、その他Nさんに関する違法性の主張も採用されず、損害賠償請求が棄却されました。 神戸刑務所による交代要請には、その正当理由の有無が公平な第三者機関によって判 断されていないという手続的暇疵がありましたが、その判断はされていません。また、派遣 受入可能期間を経過した後に受け入れたNさんに対して、直接雇用を申し入れるべきでし たが、それも行なっていません。いずれにしても、国自らが労働者派遣法に違反しながら、 何らの責任も負わないという判断は認められません。 さらに、本件団交拒否は、加人組合に対しては違法であり損害が生じたと判断しながら、労働基本権の第一次的な享受主体である原告Nさんについては、違法でなく損害もないと判断したことの誤りです。 Nさんの犠牲の上に、管理栄養士を直接雇用することになった神戸刑務所。 しかし・・・ ところで、2011年度から全国の刑務所では、管理栄養士業務に、これまでの業務委託あるいは派遣契約から、非常勤職員として直接雇用を開始しています。 そして、ついに昨年2011年4月から神戸刑務所においても、管理栄養士が非常勤職員として直接雇用されました。 神戸刑務所に直接雇用された管理栄養士は、Nさんの後任の業務委託労働者として3年間勤務していた女性ですが、直接雇用されたにもかかわらず、労働時間が減らされ、社会保険への加入からも排除されたことや、刑務官の指示命令が強くなったことなどで、わずか1ヶ月余りで辞められたとの情報が組合に寄せられました。 私たちが神戸職業安定所に出向いて調査したところ、「社会保険未加入で29時間の勤務時間」が条件だったことも分かりました。労働条件面では“偽装請負時代”よりも悪くなっているのが実態です。 管理栄養士を業務委託ではなく、直接雇用契約で採用することへの方針転換は、本訴訟で原告として立つNさんが、神戸刑務所からの不当な交代要求を受けた後、自らの雇用契約と就労実態に疑問を感じて兵庫労働局に申告したことがきっかけですし、その後の是正指導、そして法務省矯正局による全国の刑事施設での緊急点検を契機として、民間委託の調査と見直しが為されたことによるものです。 (2012年5月18日) 神戸刑務所国賠訴訟地裁判決文(2/2) |
2011.07.21
|
神戸刑務所「偽装請負」交代強要事件の団交拒否救済申立事件 第1回目の証人調べは5月13日、刑務所側の3証人にたいする代理人俵弁護士からの主尋問でした。みんな神戸刑務所の刑務官で、管理栄養士のNさんと日常的に関わりのあった人物です。 |
2011.04.12
|
12月18日(土)18時開会 |
2010.07.14 刑務所偽装請負事件の国賠訴訟☆提訴からまもなく1年 !! 7月16日10時30分から 第5回口頭弁論が開かれます。 以下、おさらいのつもりでお読みください。
|
2009.03.14 あぱけん KOBE☆フリーター・サバイバル講座☆第5弾/3.14 「派遣切り」を切る! <労働組合>を俎上に載せる!
|
旧 ニュース・報告 |
|
Copyright(C) 2006 Kansai Union for Temporary Staff and Part-timer in Kobe.
All rights reserved.